白い部屋

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白い部屋

白い部屋。 家具も無ければ寝るところも何もない真っ白な部屋。壁には窓も無くこれといった柄も無く汚れ一つもない綺麗な白い壁。天井も勿論、白。電気を点ける電球も無いのに何故か辺りは明るい。そんな白い部屋の中に赤いワンピースを身に纏った一人の少女が倒れるように眠っていた。その少女は大体十五歳位の年齢でシンプルなワンピースを着ていた。ワンピースも柄等は何もないただ、赤いだけだった。少女は目を覚まし上半身が起き上がると最初は辺りを見渡し次は自分の服装を確認した。特に反応は無く赤いワンピースの少女は少し顔を上に上げてボーッと天井を見ていた。少女は何かをする事は無く只座り、何を考えているのかも分からない。この白い部屋には時計屋すらも置いてないから今が何時なのか、朝なのか夜なのかすらも分からないのに少女はそれすらも気にしていなかった。そんな時計も無い部屋で時間が過ぎていくとようやく少女は口を開いた。 「………真っ白な………部屋」 最初に出た言葉は真っ白な部屋でした。少女の声はとても小さく何処か儚いようなそんな声でした。続けて少女はまた口を開いた。 「………私、何でこんなところに……居るんだろ」 自分がどうして此処にいるのかようやく疑問を持ち、少女は少し首を傾けながらそう言った。だか、少女は何か行動するわけでもなく、部屋の様子を見るわけでもなくただ、体育座りをして上を見上げてるだけだった。すると眠くなったのか少女はウトウトと首が落ちるかのようになり目を細くし倒れるみたいにまた眠ってしまった。 「……え。……ねぇ! 起きて! 」 「…………う~ん。……誰?」 突然体を揺さぶられ赤いワンピースの少女は目を覚ますとそこに居たのは少女と全く瓜二つの少女が二人いた。一人はニコニコをとても明るく青いワンピースを身に纏う少女と、そしてもう一人は仁王立ちをし腕を組んでまるで獲物を狙う目をする黒いワンピースを身に纏った少女。まるで三つ子かと思ってしまう位とてもよく似ている。 「こんなところで寝ると風邪を引いちまうだろ。さっさと起きろ」 「もぉ~。黒百合は口が悪いよ。ごめんね、黒百合口は悪いけどとても優しい女の子なんだよ」 「お前は黙ってろ」 「僕の名前はお前じゃないよ! 月夜だよ」 月夜と名乗る少女は黒百合と言う少女と何やら言い争いを初め、そんな二人をじっと見つめる赤いワンピースの少女はまだ完全に目が覚めていないのか目を擦る。
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