4人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋の謎
「これからどうしよっか?」
月夜は黒百合に殴られ出来たコブをさすさすと撫でながらそう言った。
「これからって、う~ん。どうする?」
黒百合は月夜の言葉に頭を悩ませ質問を質問で返した。
「………どう……する?」
愛は無表情のまま首を傾けた。沈黙が三人の空気を囲み愛以外の二人はとても難しい顔をしていた。
「ドアも無いし、どうすることも出来ないね」
「ドアもイメージして出せないのか?」
黒百合は月夜にそう聞いたが月夜は「ダメだった」と首を横に振る。
「ドアはダメだが、物は出せる……か。訳わかんねぇなぁ」
「でも、これはこれで良いんじゃないかな。イメージすれば物は出せるでしょ。不便な事は何も無いしダラダラ出来るし、僕は結構気に入ってるよ」
月夜は床に寝転がり背を伸ばしながらそう言うと、黒百合は一度愛の方を向くと愛は黒百合に近づき頭を撫で始めた。突然の事で黒百合は目を丸くし顔を真っ赤にし、緊張しているかのように愛に質問をする。
「な……何で……俺の………頭を」
「……黒百合……頑張ってる……偉い」
愛に頭を撫で撫でられただけでなく「偉い」と言われますます顔が真っ赤に下を向くと、その光景を一部始終見ていた月夜は最初は腹を押さえ笑いを堪えていたが結局大笑いしてしまい、黒百合はイメージで出したのか大きなハンマーを出し月夜に振り下ろされたが間一髪月夜は避けて盾のような物を出しガードする体制に入った。
「い、いきなり何するの! 死ぬかと思ったじゃん!」
「良いじゃねぇか。そのまま死ね」
黒百合は完全にご立腹で月夜にハンマーを向け振り下ろすが盾でガードしたり避けたりして回避している。
「ごめんごめん、謝るから許して」
「俺は怒ってねぇよ。ただ記憶を消すだけだ」
「やっぱり怒ってるじゃん!」
そんな死闘が続くと愛は爆弾のような物を出して黒百合達に目掛けて投げ爆破した。部屋中は愛が投げた爆弾の煙で辺りは見えず黒百合と月夜の声だけがした。
「ゴホッ、な…何これ」
「爆弾か?」
爆弾をもろに受けた二人は生きていた。そして部屋中の煙も少しずつ無くなり視界が見えると二人は無傷で立っていた。愛は二人に駆け寄り様子を見ると愛はあることに気づいた。
「……怪我……してない」
愛のその言葉に二人は気付き自分の体に怪我がないか確認した。
「本当だ。怪我してない」
「こりゃあどういうことだ」
二人も何が何だかと思いながら愛はもう一つあることに気がつきさっきと同じ爆弾を今度は壁に投げる。辺りはまた煙で見えず愛以外の二人は咳き込んだ。
「ちょ、愛。いきなりどうしたの?」
月夜の返答に愛は答えず煙が無くなると愛は壁の方に指を指した。
「どうしたの、壁なんかに指さして」
月夜は何故愛が壁に指を指しているのか分からなかったが黒百合は分かったかのように壁に近づき触っていた。
「壁に……傷一つ付いてねぇ」
壁には傷どころか汚れの一つもついていなかった。月夜もそれにようやく気づいたが「本当だ、全然傷ついてないね」と何だか興味が無さそうな言葉が月夜の口から出た。
最初のコメントを投稿しよう!