行き場のないおまけ・「余計なお世話か。」

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「そりゃ、幸せでしょ。そうじゃないの?」  可愛い奥さんと結婚したばかり。  子どもも産まれる。  仕事だってこの調子なら、ゆくゆくは俺を通さず直接仕事を受けられる様になるだろう……出産育児が控えているから、すぐには難しいかもだけど。 「私の実家が、ああですから」  千都ちゃんは目を伏せた。  そうか。未だに、反対されてるんだっけ。それは、千都ちゃんには、気になるだろう……けど。 「そんなに気にしなくて良いんじゃないかな。お子さんが生まれたら、ご実家の皆さんも変わるだろうし」  二人ともカップが空になったので、おかわりを注ぐ。 「それに、壮介は、家族は居るだけで十分有り難いって言うと思うよ」 「……はい。」  俺の言葉で、千都ちゃんの目が少し潤んだ。……いけない。泣かせたりしたら、後が怖すぎる。 「千都ちゃんは、幸せ?」 「幸せですよ?」  しんみりした空気を変えようと問いかけると、間髪入れずに返事が来た。 「毎朝起きて、結婚したのが本当に本当なんだなーって思うと、幸せすぎて泣きそうになります」  ……で、その泣きそうな君を壮介がよしよしって慰めるとこまでが、セットだよね?分かりすぎて怖い。 「ただ、助手からっていうか、師匠と弟子からまっすぐ夫婦になって妊娠したから、恋人らしい期間が少なかったのは……ちょっと、残念だったかなー?って」 「……千都ちゃん?」 「はい?」  こちらは聞き間違いかと思うくらい驚いているというのに、言った方の千都ちゃんは、けろりと落ち着いたままだった。
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