一方その頃(2)

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一方その頃(2)

 4月6日の8時30分ごろ。僕たちは街を出て樹海の中に踏み込もうとしていた。 「ねえ、シリー、ここって…」 「うん、堕天使の遺跡1階層 迷いの森の辺りかな」  なるほど。辺りから赤々とした気を感じるわけだ。  因みに僕は、ヴィジョンという敵意を感知する能力を持っている。周囲にマナノイズが無ければ、300メートル前後を監視することができる。 「ねえレオ…君の、アビリティは?」 「何だよそれ?」 「妙な声」  そう指摘すると、レオは納得した様子で言った。 「ああ、確かダイス・オブ・ナインティとか言ってたな」 「どんな能力?」 「わかんねーよ。お前のようにスキルタブ出ねーもん」  最低でも1度は使わないといけない。ということだろうか。  僕はもやもやした気持ちのまま、1階層を進んだ。
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