一方その頃

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一方その頃

 997年4月5日。朝の6時ごろ。  僕は、親友のレオや現地で知り合った狼族のシリーと一緒に、冒険者街の安宿に泊まっていた。  実は今、就職活動が上手く行かず、所持金さえも心もとない状況となっている。 「なあ、タイショー…今日はどこ行く?」 「そう、だね…」  僕はそう言いながら地図を広げた。 「パルチザン…というギルドは、まだだね」 「ぱるちざん? なんか強そうじゃね?」  そうレオ君が言うと、シリーは腕を組んだ。 「やめた方がいい思うよ。かつて御三家に数えられたギルドだけに、入るのは大変だし…今は、バビルールっていう悪い冒険者に支配されてるんだ。関わらないほうがいいよ」 「なるほど…」  どうやら、苦難の就職活動はまだまだ続きそうだ。
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