1.ある日の御相談とカップラーメン

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1.ある日の御相談とカップラーメン

「はぁぁ、寒いなぁ」 梨香が白い息を吐くと、冬の寒さに肩がぶるぶるっと震えた。 彼女は水城梨香、晴明神社に務める巫女のバイトで京都國學院大学神道学科の女子大生である。 ーー ー 神社の朝は早い ザッザッザッザッ 真冬日になった早朝、梨香は竹箒を手に持って参道の石畳みの掃き掃除をしていた。 『清浄=清らかで穢れがないこと』 神道で大切なこと、神様も清らかな場所がお好きだ。神職者たるもの、まずは境内の整備や掃除などを散りひとつ残さずに、マメに行わなくてはならないのだ。 神社は、そのほとんどが屋外にあり自然と一体になっている自然信仰のため、放っておけばすぐに荒れたり汚れたりしてしまう場所が多かった。それは『安倍晴明公』を祀る晴明神社も、史実を追っていくと例外ではなかった。 神社と神職者に仕える彼女たち巫女(巫子)は、雨の日も雪の日も、神様や参拝に訪れる参拝者や奉納者にとって心地よい空間にするために、心を尽くして掃除をさせて頂いているのだ。 「うん、綺麗になったかな」 梨香は「うんうん」と頷いて堀川通りに面した神社の入り口、真っ白な[一の鳥居]の額の五芒星を見上げた。 み空色に輝く星ではなく、五芒星 五芒星は、陰陽道では魔除けの呪符として古くから伝わっていて現代でいう厄祓いをすることがそれに近いという。 晴明神社の神紋はこの五芒星で『晴明桔梗印』呼ばれている。 通常の神社では、鳥居の額には神社名や祭神名が掲げることが多いのだが、清明神社では金色に輝く神紋である『晴明桔梗印』が掲げられており、それはとても珍しいと言われている。 ここは、京都市上京区にある陰陽師『安倍晴明公』をお祀りする晴明神社である。
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