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過去と向き合う者
困ったお姉ちゃんだよね。
本当にお姉ちゃんの事を想っている人が、誰だか分かっていない。
全く……。
お姉ちゃんに悪影響を与えた奴らを、始末しないと気が済まないわ。
まずは、パパとママだったよね。お姉ちゃんを自由にさせ過ぎたよね。甘やかすにも、程があるってものだよ。だから、叩き殺しました。死体は、自宅の庭に埋めてあります。かなり時間が経っているから、もう白骨化しているかな。
私はかなり大目に見ていたんだよ。
芸能活動をさせて上げたんだから。
どうせ売れなくて、直ぐに引退して戻ってくると思っていたから。
けど、しつこく頑張っていたよね。流石、キックボクシングで鍛えていただけの事はあるよね。
けどね。
お姉ちゃんが頑張っている姿を見ていたら、私も応援しようと言う気持ちになった事もあるんだよ。
本当だよ。
その証拠に、お姉ちゃんに意地悪をしていたマナージャーを、かなり痛めつけてあげたんだよ。
そうしたら、新しいマネージャーに変わったよね。お姉ちゃんの仕事が、増えたよね。けど、仕事の内容は糞みたいな物だった。
あんな酷い内容の仕事、本当はやりたくなかった筈だよね。
皆の前では笑顔だったけど、心は泣いていた筈だよ。
マネージャーが幾ら変わっても、仕事の内容は変わらないような気がした。
お姉ちゃんにこれ以上、糞のような仕事をして欲しくない。
だから、私がお姉ちゃんを止めるしかないよね。
聞き分けのない娘には、お仕置きが必要だよね。時には暴力も必要な事があるんだよ。身を以って教えないと、分からない事って、たくさんあるよね。
それでも、私はお姉ちゃんと連絡を取り、話し合いをする事にしたんだよ。
けど、話し合いが拗れてしまったら、お姉ちゃんの身体に、私のお姉ちゃんへの深い愛を刻み込むからね。
そうしなければ、お姉ちゃんは、私の気持ちを分かってくれないと思うので。
ところで、私は成美 菊菜(なるみ きくな)、成美 桜花の妹です。大好きなお姉ちゃんに、芸能活動を止めて欲しくて、お願いをするために、お姉ちゃんと会う約束をした。
お姉ちゃんは私に会いに来てくれた。
私はお姉ちゃんに思いの丈をぶつけてみた。けど、お姉ちゃんは聞く耳をもってくれなかった。
仕方ないよね。お仕置きをするしかないよね。
お姉ちゃんがとても強いのは分かっている。
だから、私、本気を出すから。
バトル開始だね。
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