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12/22(水)
「ゆーくん!会いたかった〜!」
電車から降りて、満面の笑顔で俺の方に走ってくるみーちゃん。
みーちゃんは年末年始にも実習があるため、冬休みではないけどこのタイミングで地元に帰ってきたのだ。
「まーた可愛くなって。この調子だとモテるだろ?」
前会った時よりもはるかに可愛くなっている彼女の頰をツンツンとした。
小学生の時から変わらない、黒髪のロングヘアに色白の肌。
「モテないよー!看護は女の子ばっかりなの」
そう言って口を尖らせるみーちゃんは最高に可愛い。
長い付き合いだけど、僕はいつまでも彼女のトリコだ。
「まあ、こんなメンズのマフラーしてたら男は寄ってこないよな」
僕がそう呟くと、彼女はニコッと笑った。
今日は地元の遊園地でデートだ。
「そういえばお化け屋敷がリニューアルしたみたいだな。ナースのお化けがたくさんいるらしい」
みーちゃんはてっきり怖がるのかと思いきや、意外な反応を示した。
「ナース?実習で飽きるほど見てるから全然怖くなーい!」
…なるほど。
みーちゃんは確か病院に行って実習を行っているはずだ。
やっぱり別のデートスポットの方がいいかな、などと考えを巡らせているうちに、みーちゃんが手を握ってきた。
「お化け屋敷、すごく楽しみ!ずっとくっついていようね!」
どうやら僕の杞憂だったみたいだ。
人前でベタベタするのが苦手なみーちゃんだが、お化け屋敷は暗闇だからOKらしい。
男としては、暗闇でイチャイチャできるなんて最高のシチュエーションではないか。
少し早いけど、今日はみーちゃんとのクリスマスデートだ。
僕はニヤける顔を隠すために、ネイビーと深緑色ののマフラーに顔を埋めた。
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