61人が本棚に入れています
本棚に追加
小学生の頃、この物語を読んだ悠生の感想は、「サプライズのプレゼントって失敗するんやな」というものだった。
ちゃんとお互いに話をしていれば、こんなことにはならなかったのに、と。
「マジかーッ!!!」
もしも、これがミステリー小説ならば、オレは事件をお蔵入りさせる“迷探偵”や。
はぁあああ、と全身の空気を吐き出すように、ため息をついた。いまなら、魂も一緒に抜け出そうだ。
ん? 待てよ?
口から半分コンニチワした魂を引っ捕まえて呑み込む。幽体離脱をしている場合ではない。
「ほな、なんで、そない三井のこと、イヤがるんや」
思案顔の悠生に、結衣は唇を尖らせる。
最初のコメントを投稿しよう!