9cmでご容赦ください

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小学生の頃、この物語を読んだ悠生(はるき)の感想は、「サプライズのプレゼントって失敗するんやな」というものだった。 、こんなことにはならなかったのに、と。 「マジかーッ!!!」 もしも、これがミステリー小説ならば、オレは事件をお蔵入りさせる“探偵”や。 はぁあああ、と全身の空気を吐き出すように、ため息をついた。いまなら、魂も一緒に抜け出そうだ。 ん? 待てよ? 口から半分コンニチワした魂を引っ捕まえて呑み込む。幽体離脱をしている場合ではない。 「ほな、なんで、そない三井(みつい)のこと、イヤがるんや」 思案(しあん)(がお)悠生(はるき)に、結衣(ゆい)は唇を(とが)らせる。
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