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続きを促され、悠生は仕方なく尋ねた。
「三井って彼氏おるん?」
「はぁ?」
彼女はさらに目を丸くして、半オクターブ高い声を上げる。が、一拍置いて、「おるけど、なんかある?」と怪訝そうな視線を悠生に向ける。
「そうか……彼氏、おるんや……」
ところが、問うた本人は、その回答に頭を抱えた。喉の奥から胸にかけて、チクチク、チクチクと鈍い痛みが広がっていく。
……結衣の片思いの相手って、三井の彼氏やったんやな。
パズルのピースが合わさるように、バラバラだった事象が、ガッチリと合わさっていく。
今日やって、そうだったやないか。
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