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美澄は絃に地図を出すよう指示した。
そして、〈獅子ノ瀬村〉から少し北に行ったところを指差した。
「ここは、前にもお話した、私が昔いた集落です。
少し気になって、数年前に偵察の人を行かせたのですが……、
どうやら人がいなくなったあと、獣人族の住処になっているようです」
真剣な面持ちで話す美澄に、絃と翡翠も聞き入る。
「この獣人たちが、どのような者なのかは分かりません。
人間に味方するかもしれないし、敵対するかもしれない。
ですが、数はそう多くない」
一息つくと、美澄は二人の目をじっと見つめて言った。
「あなたたちには、最初にここへ行って欲しいのです。
そして、獣人族が安全かを確認してほしい。そうすれば、
〈獅子ノ瀬村〉と獣人の集落で、ちょっとした取り引きをしたいと思っています」
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