渇き

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最近タムラさんよく連絡くれるな、いつもホテル代とか全部払ってくれるからすごい嬉しい。 やっぱりちゃんと会社で働いてる人とするのが一番良いな。 「あんま肌焼けにくいんです、遺伝かな」 首元にすり寄るようにそう返せば擽ったそうな声が聞こえてくる。 「そんなにスーツ好き?」 「かっちりしてて良いよね、あとさっきまでのやらしさがどこにもない」 「大人は切り替えが早いから」 そろそろ出ようかと告げたタムラさんはバッグを手に取った俺を見ながら腕時計を着けた。 「ね、今度は制服で来てよ。見たいなぁ」 「やーだ特定怖い」 冗談だよ、信用ないなぁとけらけら笑いながらタムラさんは先に部屋を出て行った。 私服とはいえ高校生とこんな場所から出てくるのはリスクを考えるのだろう。 お金をもらう訳でもない、少しのただ快感と寂しさを共有するだけの仲。 依存せず、依存されず、欲しい時に呼んで呼ばれて欲しいだけの温もりを貰って生きる。 あぁ、なんて素晴らしい。 暫くして自分も部屋から退出し、何気なくスマホを開けば未読のまま放置したお誘いのメッセージが数件溜まっていて、またその中から優先順位を決めていく。 ほう、とついた溜息は微かに白く空気に溶け込んだ。
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