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家のベッドは嫌いだ。
なんだか余計な事しか考えられないし
傍にいたはずの眠気も横になればさようならと告げて消えていく。
朝方になってようやく眠れることなんてよくある事だった。
「悠、起きろ」
「……なに拓也」
「なにじゃねぇ昼だよ、いつまでも寝てないで起きろ、そして食え」
「眠い、てかなんで俺の部屋にいんの」
突然揺さぶられ意識が浮上する。
側に立っていたのは色素の薄い俺と違う真っ黒な髪そしてまた真っ黒な目を持った幼馴染でクラスメイトの和泉拓也だった。
「お前の母さんに決まってんだろ」
「いやなんでうちに来てんの」
「前まで普通だったじゃんか……お前が最近学校サボってるから」
その言葉にピタリと空気が静かになる
何も言わず立っている拓也を見上げた。
寝起きの上目遣いなんてさぞ目付きが悪かろう。
「そのうち親に伝わるぞ、何があったか知らないけどそろそろ来いよ」
「その事だけ伝えにだけ態々来たわけか、暇だな」
「お前が未読無視するから」
鼻で笑いながら言った挑発に拓也は乗らない
むしろ心配そうな顔でこちらを見てくるから居心地が悪くて仕方がない。
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