渇き

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「今何時だと思ってる」 「学校にはちゃんと来ただろ」 「もう四限終わったけどな」 登校した俺を一番に待っていたのはぐぬぬ、と効果音が付いてきそうな表情で片手に椅子と弁当を持った拓也だった。 「ずっとサボってるわけじゃないし、成績も落としてないんだから良いだろ、別に」 「だから言ってんだよ、お前最近どうした」 「またその話かよ……なんもないって」 だるい。 そもそもどうしてこんなにも執拗に聞いてくるのか分からない。 しれっと俺の正面に座り弁当を食べ始める拓也に少しイラついた雰囲気を醸し出してみても察していながら引き下がろうとしなかった。 ただ真っ直ぐ俺を見ているだけ。 「なあ、」 「あれっ如月じゃーん! 今来たのかよ!てか弁当は!?」 重たい空気を遠慮なく壊したのは近くにいたクラスのムードメーカー、オオハシだった。 まさかここで乱入者が現れると思っていなかったのか、拓也は眉を下げる。 「今度サボる時俺らも誘えよな! あ、そういえば真希ちゃんに如月が学校来たら放課後医務室まで来いって伝えてくれって言われたわ」 「真希ちゃんって養護の齋藤だろ、担任じゃなくて?」 「なんだよ拓也、もしかしてお前真希ちゃん好きだったりすんの?」
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