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すると不意に俺の唇に何かが触れる。
え……?
「キス、だよ」
呆然としていると、鬼月が柔らかく笑って答えた。
「愛スル人に自分の想いを伝える術……だってテレビで言ってたから」
「愛する、人?」
「そーだよ。シュウは、オレの愛スル人」
そう告げると、鬼月はどこで習ったのか分からない程上手な深いキスを俺へと仕掛けた。
鬼月の長い舌が絡まり、執拗に俺の存在を探る。
こんなコトまで、学習能力が早いなんて……。
キスだけですっかり翻弄されていた俺は、気が付けば下腹部にも熱が灯るのを感じ始めていた。
鬼月にだけは知られたくない。
羞恥心からそう思った俺は、折り畳まれた膝にギュッと力を入れ下腹部の熱に気付かれない様隠そうとする。
だがそれより先に、鬼月が口を開く。
「ねぇ、シュウ……オレのおっきしちゃった」
その言葉に俺の胸は大きく脈打つ。
「……え?ドウ、イウ、意味?」
まだ心は子どもで無邪気だと思っていた鬼月からの言葉に、俺は酷い動揺を隠せず片言となってしまう。
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