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「ぃあ……!」
ほんの僅かのみであったが、その異物感に苦痛の声を上げる俺。
「たったコレだけで、締め付け感が凄いな……これじゃ、俺の納まんないよ?」
俺の内を探る指はもう少しだけ深い秘処を探り、もう片方の手は萎縮しない様俺の熱を過保護に愛でる。
「ねぇ、今まで誰にも赦していないの……後ろ?」
すっかり獰猛な鬼へと豹変した鬼月の尋問に、俺は思わず耳を塞ぎたくなり目を伏せてしまう。
だが返答しない俺を咎める様に、後孔に指を増やし淫靡な水音が俺の耳に届く様に蕩けさせていく。
「は……恥ずかしい」
顔を真っ赤にして俯く俺に、鬼月は「可愛い」と言いながら唇に少し長めの音を立て蜜を吸う様にキスをする。
「恥ずかしくなんか何も無い」
そう言って、俺の顔へと自身の顔を近付けた鬼月は柔らかく笑った。
その顔はいつもの無邪気な鬼月と変わらず、俺は思わず油断してしまう。すると蠢く指は引き抜かれ、俺はその刺激で甘い声を上げてしまう。
「――大丈夫、もっと欲しくなるの……あげるね」
クスリと七色の輝きを秘めた瞳を眇めながら鬼月は笑うと、指の代わりに待機していた情熱的な切っ先を俺の狭い孔へと捻り込んだ。
「っう……!」
俺の内に滾った熱が苦しそうにその存在を、心臓そのものかのようにドクドクと主張する。その重厚な存在に、俺は息をするのも忘れてしまう。
鬼月の……今にも、破裂しちゃいそうだ。
眼の前の鬼月も、苦しそうに眉を顰めている。だが酸欠状態の俺を見兼ねて、優しい口調で声を掛けながら髪を撫でた。
「柊の内の俺の熱をまず感じて……そして、俺の熱が脈打つのと合わせて一緒に柊も呼吸して――」
指示通り、俺は俺の内に打ち込まれた熱の温度をまず感じる。
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