鬼と俺。

2/2
674人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「鬼月の方が寒そうだろ?こっち来いよ」 鬼月へ手招きすると俺はマフラーの中へ誘う。 「暖かいネ」 「バカ。冬の夜に上半身裸で外へ来るヤツがいるか」 震える鬼月を愛しさから俺はギュッと抱き締める。 「へへへ。でも、シュウがギュッてしてくれたからオレは幸せ。だから、オレもシュウをギュッてしていっぱい愛しちゃうんだ。ほら――」 鬼月は既に熱を帯びた自身の硬い金棒へと俺の手を導く。 「おい!」 強い口調とは裏腹に、熱を感じた俺の手は既に鬼月の甘い毒に犯されていく。 「ダイスキだよ、シュウ。シュウにホレて貰える様に、オレもっと色々頑張ってスパダリってヤツになるから!……だからもう一回、ネ?」 無邪気さの中に、先程の獰猛な鬼月が見え隠れしており身体が火照る。 そんなのズルい。 反則だ。 でも、いつの間にか愛しい存在。 「俺、とんでもないの拾っちゃったな」 天を仰ぎながら、今夜俺は二度目の寵愛を受ける覚悟を決めたのだった――。 END
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!