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「鬼月の方が寒そうだろ?こっち来いよ」
鬼月へ手招きすると俺はマフラーの中へ誘う。
「暖かいネ」
「バカ。冬の夜に上半身裸で外へ来るヤツがいるか」
震える鬼月を愛しさから俺はギュッと抱き締める。
「へへへ。でも、シュウがギュッてしてくれたからオレは幸せ。だから、オレもシュウをギュッてしていっぱい愛しちゃうんだ。ほら――」
鬼月は既に熱を帯びた自身の硬い金棒へと俺の手を導く。
「おい!」
強い口調とは裏腹に、熱を感じた俺の手は既に鬼月の甘い毒に犯されていく。
「ダイスキだよ、シュウ。シュウにホレて貰える様に、オレもっと色々頑張ってスパダリってヤツになるから!……だからもう一回、ネ?」
無邪気さの中に、先程の獰猛な鬼月が見え隠れしており身体が火照る。
そんなのズルい。
反則だ。
でも、いつの間にか愛しい存在。
「俺、とんでもないの拾っちゃったな」
天を仰ぎながら、今夜俺は二度目の寵愛を受ける覚悟を決めたのだった――。
END
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