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しばらく見つめ合う俺たち。
スカイブルーの瞳を持つソイツは、不意に俺へと無邪気に笑って見せた。
「お前、可愛いな」
純粋にそんな感想が俺の口をつく。
ソイツは俺の言葉を理解したのかそうでないのか、本当に人間の赤ん坊の様にキャッキャッと喜ぶ様な声を上げ手足をバタバタさせた。
本当に可愛い。
角さえ見なければ、外人の子どもだ。
「お前、俺ン家の子になるか?」
次の瞬間、無意識の内に俺の口からはそんな言葉が出ていた。
角さえ無視すれば、天使の様なその赤ん坊は俺の言葉に呼応する様に、更に上機嫌に手足をバタバタ動かす。
きっと独り暮らしの寂しさが、俺を狂わせたのだろう。
もしくは、月が綺麗な満月の夜だったから魔が差したのだろうか。
とにかくこの日の俺は、目の前の生き物の暖かさに正常な判断ができなかったのであった――。
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