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「シュウ、お帰りー!ご飯作っといたよー!今日はね、シュウが好きなギョーザとね、大根と若芽のお味噌汁とね、オヒタシ作ったよ!」
帰宅したばかりでまだ玄関にいる俺へ、鬼月は大型犬の様にじゃれつく。
「いつも晩御飯の支度、ありがとう」
「シュウが喜ぶなら、オレは何だってする!」
口調とはしゃぐその姿はまだ鬼月を幼く感じさせていたが、身体はどこからどう見ても既に立派な大人そのもの。
甘えてくる鬼月は可愛かったが、日に日に重くなるヤツに俺はいつか力では負けてしまうのでは無いかと不安が過ぎる。
否、もしかすると既に力では負けている可能性が高い……かもしれない。
「あ、あとね。お風呂ももう沸いてるからどっち先がイイ?」
その言葉に、思わず俺はギクリとなる。
毎日一緒に入るお風呂でも、鬼月の成長を否応無しに感じさせられていたからだ。
身体の成長と共に、勿論、鬼月の敏感なトコロも成長していく訳で……。
同じ男として羨ましくなる様なアレを、鬼月は惜しげも無く俺の前で披露している。
披露している自覚が本人に全く無いところも、また苛立ちを感じるが。
一方的に男のプライドを打ち砕かれた俺は、実はそろそろ入浴を別々にしよう、と密かに決意している。
そもそもオンボロの風呂だから、大人の男二人で入ると狭すぎて、身動きが全く取れずリラックスができないのもあるのだが。
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