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「はい! どう? すごく似合っている!」
お互い隣同士になって、写真を撮ると彼は既に涙目になっている。
「どうかしたの? 悲しいの? でも安心して、もう少しであなたは、ずっと、私と一緒に居られるの、そう、彼らと一緒にね」
テレビの横に置かれた入れ物には、丁寧に黒の布がかぶさっていた。
それを一斉に取ると、彼は体をのけ反らせながら、声にならない叫びをあげている。
「ねぇ? みんな素敵な人たちばかりでしょ? 全員、私の大切な彼なの、今からあなたもあそこに加わるのよ。 凄く素敵!」
ぶるっと、背中が震えたかとおもうと、不快な香りのする液体が股間から滲みだしてきた。
「あら? 困っちゃいましたねぇ? ママが優しく拭いてあげますからね?」
ブンブンと首を振る。
きっと、許してくれ、キミが一番だと言うだろう。
初めての人はそうだった。 だから聞かないようにしている。
そんな汚い言葉ででわなく、いまの綺麗なままのあなたでいて欲しいから。
右手と左手でマフラーの端を掴むと、ゆっくりと彼の顔をみながら、ゆっくり力を入れていく。
最初は抵抗するけれども、いっこうにかまわない。
だって、最終的には必ずどんな人も私のマフラーの心地よさから逃れられないのだから。
さぁ、今一度私の愛を感じながら、私の愛しいコレクションに加わりなさい。
完
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