コレクター

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 あぁ……。 また、今年も私は編まなければいけない。  それから一か月、彼とは楽しい生活を送れた。 「今夜は何を食べに連れて行ってくれるの?」 「うん? キミが食べたいものを」 「そう? だったらモルシージャが食べたいわ」 「モルシージャ? あまり聞いたことがないけれど、フレンチでもないかな?」 「えぇ、スペイン料理よ。 近くにあるかしら?」 「近場にはないが、なぁに、任せなさい」  飽きたという理由だけで、まだ一年も乗っていないセダンタイプの車から、先週新しい車に乗り換えている。  あまり見たことがない車で大きなSUVと言っていたけれど、私はとくに興味が無い。 「どうぞ」  わざわざドアを開けてくれる。 その優しさを、私だけに向けてほしかった。  真新しい車の助手席に乗り込み、ちらりと確認してみると、私より一足先に乗った人がいるようだ。  だって、新品のレザーにヒールの跡ができていますよ?  ちなみに、私は履いたことがない。 履かない理由もあるけれど、あえて言うなら、疲れちゃうからかな?  歩く疲れだけでなく、こういった車に傷もつけてしまう可能性もある。  気疲れすることもあるため、履くのを辞めてしまった。  
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