【序章】ジャズとクラッシック

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マンションを出て書店や美容院が並ぶ街道を歩く。 私は無表情で道を歩き、それはまるでスポットライトで照らされたよう....。 私の名前は佐倉(さくら)佑香(ゆうか)。 ジャズピアニストの卵だ。 将来は全然ジャズに関係ないけど、私は誰よりもジャズを愛している。 2歳の頃からピアノを始め、早10年。 12歳になった私は、完全にクラッシックに冷めていた。 当初は楽譜を読んでコンクールにも出たりしたけれど、その時に起きたトラウマや楽譜に対する酷い嫌悪感のせいで前の教室を辞めた。 –––そして今。 たまたまこの教室を見つけ、私はここへ通っている。 メロディーは聞いて覚えられるから、ジャズの基礎「コード」というものを暗記して弾いている。 因みに楽譜はコードしか見ていない。 私はジャズを愛している。 いつか私は、大きな舞台で人々の心を動かしたいと思った。
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