12/29 書くこと

1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

12/29 書くこと

 こんばんは。やどりです。自分の思いや考えを伝える場所が欲しくて、つくってみました。みなさんが、小説を書いていてなんだか疲れたな、と思ったときにでも、立ち寄ってほっと一息ついていただければうれしいです。そんな場所にしていきたいと思っています。  最近、吉澤嘉代子さんという方の曲をよく聞くのですが、その中の「ミューズ」という曲の中に、こんな歌詞があります。  透明であろうとするほどに  すべてを吸ってしまう  貴方だから 物語になるよ  この歌詞に、すごく共感してしまうというか、心動かされるのです。私がつくり出してきた物語の登場人物たちに、この言葉を言ってあげたい、なんて思います。貴方は純粋すぎて、いろいろつらいこともあるだろうけれど、それが私の伝えたい何かを支えてくれているんだよ。物語に、させてくれるんだよ、と。  そして同時に、透明であろうと自分にも戒めなければいけないとも思います。確かに小説を書く身として、ぶれない芯は大切だと思いますし、それが小説を書く理由にもなると思います。だけれど、息を吐くことをするには息を吸うことが大切で(アウトプットの前にはまずインプット)、そういう「透明であろうとする感性」を忘れたくないなと思うのです。  誰かの話をきちんと深く聞くこと、読書をして自分の考えられる領域を広げること。そういうことって、やっぱり小説を書く上で、すごく大切なことだなぁと思います。そして、その感性をきちんと残しておく。それが書くことなんだ、と気づきました。今、私がしている行為がそれです。曲の中の心動いた歌詞をとどめておく。どうしてそれに心が動かされたのか、しっかり記録しておく。私にとって、記録媒体が書くことだっただけで、誰かと話すことで記憶する、だとか、絵に描いたり音楽にしてイメージとして残しておく、だとか、そういう人もいたらいいなと思います。  同じく、吉澤嘉代子さんの「ストッキング」という曲の中では、こんな歌詞があります。  金曜ロードショウ  なんとなく観てしまう  魔女の宅急便に泣いた  十三歳の夏には  もどれないことを知る  今の感性は、今しかなくて、きっとそれをとどめておかなかったらすぐに流れていってしまう。そんな感覚が、最近ずっと私の中に渦巻いていました。だからこそ、今、ここに自分の考えたことや、思ったことを残しておきたいと、そう思ったのです。  書くこと。それはひどく曖昧で、言葉の境界線もわからないのに使わざるを得ないもやもやした気持ちを帯びたもの。もっといい言葉があるんじゃないかと模索してもしきれない、その奥深さ。その深淵さに、私は惹かれて感性を残す手段として書くことを選びました。みなさんは、どんな手段で「透明であろうとする感性」を残しますか? そんなことを問いたくなる、年末の夜です。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!