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こんな身体の私。胸の事だけじゃなくその先の抗がん剤や放射線治療、私の人生には問題が山とある。
「私は真己のお荷物にしかならない。なのに、ごめんなさい」
止められなかった、愛する事を諦められなかった。勝手だとわかっていても。
「弥夜子さん……あたしじゃダメ? もう迷わない、だってあたし……!」
私は優ちゃんを頭から掻き抱いた。
「ありがとう。優ちゃん」
そっと腕を緩め、踵を返して公園を離れる。
「弥夜子さん……っ」
視界が霞むのは雪に反射する朝陽が瞼を刺すから。
遊歩道の手前で、昨夜忘れていった私の傘が雪と泥に埋もれて泣いていた。
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