メイン・スノウ

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 信じよう。私もこの世界に愛されていると。 「あー、それと君。始末書をひとつ書きなさいね」 「は?」  その言葉がすぐには理解できなかった。 「始末書……え、何か私がミスを!?」 「ミスもミス、大ミスだ。忙しい朝っぱらに、取り押さえるのに医師まで動員させられた」  話が全く見えてこない。次の瞬間、再びドアが勢いよく開き、病室に飛び込んで来たのは。 「――弥夜子さん!」 「……っ!!」  自分の目を疑った。この病院に入院している事はおろか、働いている事も話していないのに。 「コラ! 呼ぶまで入るなと言っただろう」 「真己くんダメだよ。落ち着いて」  優ちゃんに腕を掴まれ、医師(せんせい)に羽交い絞めにされた真己が、それでもジワジワと近づいて来る。 「この青年が“弥夜子さん弥夜子さん”と外来受付で大騒ぎしてな。静かに話すという条件で連れてきたんだが」 「あたしが話したの弥夜子さん、全部。それでも真己くん、毎日あのベンチで……!」  待っていたんだ。あれから雪が続いているのに。  私は震える唇を噛んで、真己をしっかりと見つめた。 「聞いたなら、わかったでしょ」 「おっぱい……切るんですか、弥夜子さん」 「うん」 「死ぬんですか?」 「死なないけど、すぐ死ぬかもしれない」  絶句した真己から優ちゃんと医師(せんせい)がそろそろと手を離し、部屋を出て行く。
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