第三章

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「倫が、いや、ごめん。息子の方だけど、教科書を忘れてきたって」 「……教科書?」 やっと平静を取り戻して、部屋に友也を招き入れた。友也は所在なさげに、辺りを見回している。 「相変わらずキレイにしてるんだなぁ、すごいなァ」 「そんなことないよ。あ、そのへん、座ってくれ」  いつも倫がいるテレビの前に今は友也がいる。それだけで、まるで少年に戻ったみたいに心が騒ぐ。
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