第三章

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「仕事は、慣れたのか」 「うん。まぁ、二年だからなぁー。いい加減、少しは慣れないといけないんだけど、正直、なかなかだよ」 「お前は、真面目で誠実なんだから、そこさえ相手に伝わればおれよりも信頼されるさ。もう少しだ、絶対に」  励ましに熱が入りすぎてしまったか。だけど、友也は最近かけるようになったという眼鏡をずらして、照れくさそうに笑った。 「ありがとう。いつも、凛は、僕を信じてくれるな。凛だけはいつも僕の味方な気がする」 「当たり前だろう? 何年のつきあいだと思ってんだよ」 「うん。本当に、ありがとう」 カーテンの隙間から差し込む昼の光の中、穏やかに友也は微笑んでいる。だがどこか危うい。ガラスみたいな、薄っぺらい笑顔に見えた。感情をどこかに置き忘れてきたような。 「仕事、大変なんだな.......」  コーヒーにミルクだけを入れて、口に運ぶ。友也も同じようにして、やっと一口飲んでくれた。 「仕事だけじゃ、ないんだ」 「え?」 「倫から何か、聞いてないか」
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