第一章
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別室で、窮屈なスーツをさっさと脱ぎ捨て、スウェット姿になった。いつもならパンイチになるが、倫の前で、そこまでだらしない姿は見せられない。倫の父親であり、凛太郎とは親友の友也に伝わったら困るからだ。 (親友、ね……) 苦い気持ちで、ひとり微笑む。きっとそう思ってるのは友也だけだ。自分もそれに合わせてはいるけれども、彼を親友だと思ったことは出会ってから一度もない。 そう、一度も、だ。
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