あやかし駄菓子屋の店主

2/17
1432人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
  「お前が残るってどういう意味だ」 「社長は長くここにいらっしゃって、お疲れだろうから、わたしが代わりにこの店をやりましょうかって意味です」  そう壱花は倫太郎に言ったが、 「それだと今度はお前が疲れるだろうが」 と言われる。 「いやー、でも、どうせわたしは社長と違って、たいした仕事はしてませんし」 と言って、 「いや、お前にいくら払ってると思ってるんだ。  仕事しろ」 と言われてしまう。  いやいや、社長が遠慮しないようにそう言ったんですよ……と思ったとき、倫太郎が言ってきた。 「疲れてるんだろ? お前も。  ここ入ってきたとき、ボロボロだったじゃないか」  あの……たとえ、わたしを気づかって言ってくださっているのだとしても、ボロボロとか言われたくないのですが、女子として。  と思ったそこに、また、倫太郎がたたみかけるように言ってくる。 「第一、どうやって俺と交代するつもりだ。  ちゃんと考えはあるのか」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!