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「ねえ、勉強聞きに来たんじゃないの?」
そんな風に1人納得して頷いた私に、果歩の冷たい声が聞こえる。
「・・はぁ。」
それに対して川崎くんは露骨にため息をついた。
「・・なあお前なんでついてきたんだよ?」
「・・何でって、それは。」
川崎くんの問いに果歩は私と桝澤先生の方をチラチラ見ながら口ごもる。
「まあまあ。それよりどこ聞きたいの?」
そんな2人の様子に桝澤先生は苦笑を浮かべた。
「あー、えっと、この分詞の・・」
そんな桝澤先生に少し呆れたように、川崎くんはペラペラと教科書のページをめくる。
「分詞はねぇ。なれるまで難しいよね。」
「私、分詞死ぬほど苦手です。」
そんな川崎くんを見つめながら呟いた桝澤先生に、そう言う。
分詞はどれだけ勉強しても正直理解できない。だから、死ぬほど苦手だ。
「うーん、死ぬほど苦手かぁ。」
そんな私に少し驚いたように、桝澤先生は微苦笑を浮かべた。
「これ、この問題がわかんなくて」
そうこう話しているうちに教科書の該当のページを見つけたらしい川崎くんが、その問題を桝澤先生に見せる。
「ん、ああ、なるほど。これはね・・・・・・。」
桝澤先生はその問題をさらっと見ると、説明を始めた。
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