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1.遠慮してるの?
それは、クリスマスの朝
家族に我儘を言って、田中さんとクリスマスイブを過ごした。
甘い時間を期待していたけど、社会人の田中さんにとって平日のクリスマスイブは、街や学生が浮かれているだけの感覚みたいだった。僕が「今日、お家に行きますね」って連絡して、某チキン会社のセットを買って待っていると、田中さんは驚いた顔で帰って来た。
「何かと思ったら…」
そう言うと、僕の頭をくしゃりと撫でて
「御家族と過ごさないで良いんですか?」
って呟いた。
そして
「あ…プレゼント、用意出来ていないです」
そう言いながら、困ったように笑う。
「田中さん、迷惑…だった?」
心配になって聞くと、田中さんは優しく微笑んで僕の頬に触れると
「そんな訳無いじゃないですか」
って言ってくれたけど…。
ケーキとチキンを一緒に食べながら、疲れた横顔の田中さんに申し訳無くなる。
僕は冬休みだけど、田中さんは仕事をしているから大変なんだよね。
分かっていたけど、どうしても一緒に居たくて押し掛けちゃった事を後悔していた。
食事を終えて、僕が帰り支度をしようと上着へと伸ばした手を、田中さんの手が掴んで僕の身体を引き寄せる。
顎を掴まれ、田中さんの胸に背中を預けた状態で唇を重ねられる。
唇の間から舌を差し入れられ、舌を絡め取られる。
キスに夢中になっていると、田中さんの手がセーターの中に差し込まれて、セーターの下に着ているシャツ越しに胸の突起を撫でられる。
「あっ…」
小さく喘ぐと、唇を舐められてから
「帰るんですか?」
そう、耳元で囁かれた。
「折角、クリスマスプレゼントを届けて下さったのですから、ありがたく受け取らないと…」
田中さんの、低く響く声に腰が砕ける。
「プレゼントって……、ケーキとチキンしか持って来て…な…ぃ…。」
囁いた耳元から、首筋へとキスを落とされて声が上ずる。
「私には、蒼介さんがプレゼントですよ」
そう言うと、ズボンのボタンを外されてファスナーを下ろす音が響く。
「ちょ…、田中さん。ダメ…」
抵抗にならない抵抗をすると、シャツの中に手を入れられて、既に固く尖った胸の先端を指で直に触れられてしまう。
「ダメですか?」
甘い囁きと共に、腰を引き寄せられて田中さんの硬くなったモノが僕のお尻に当たる。
わざと押し付けるように、いつも田中さんを迎い入れる場所辺りに擦り付けて来た。
「あ…っ」
小さく喘ぐ僕の唇に、再び田中さんの唇が重なる。
シャツとセーターを胸元まで上げて、片手で胸のツンっと立ち上がった場所を刺激しながら、もう片方の手は硬くなり始めた僕自身をやわやわと刺激する。
立っていられなくなって、壁に手を着いて腰を突き出した形になっている僕のお尻には、既に布越しでも分かる田中さんの硬くなったモノが、ピッタリと押し付けられている。
僕は無意識に、腰を揺らしてその熱い灼熱を欲していた。
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