2.思わぬサプライズ

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田中さんは諦めたように溜息を吐くと 「分かりました。もう、好きなだけくっ付いて居て良いので、スーツだけ脱がせて下さい。」 と、諦めたように呟いた。 ジャケットを脱ぐ一瞬だけ離れて、後はズボンを脱ぐ時もくっついたまま。 ネクタイを外して手を洗いに行くのにも、ガッツリ引っ付いて歩いた。 「さて…そろそろ座りたいのですが…」 そう言われて、田中さんに両手を剥がされて背中から引き剥がされた。 田中さんはソファに座ると、両手を広げて 「おいで…」 って微笑む。 僕が誘導されるように、ゆっくりと田中さんに近付くと、手を取られ向き合うように田中さんの膝の上に座らされる。 そして田中さんは僕の頭を抱き寄せると、そっと背中をポンポンと叩いた。 僕を愛しむように、優しく慰めるように。 しばらくして、心の中まで冷えたようにカチコチに固まった心が解けていくのを感じた。 大きく深呼吸をすると 「落ち着きましたか?」 と、田中さんが聞いて来た。 見上げると、優しく微笑む田中さんに安心する。 「フフフ…」 って笑う僕に、優しく髪の毛を撫でながら 「どうしました?」 と、優しい声で聞いて来る。 「ん?大好きだなぁ~って思って」 ギュッと抱き着いて呟くと、田中さんは小さく笑って 「知ってます」 そう短く答えて僕の頬を撫でた。 その手に触れ、ゆっくりと顔を上げると田中さんの瞳と見つめ合う。 ゆっくり瞳を閉じれば、田中さんの唇が僕の唇に重なる。
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