バケモノの棲む家

お見合いパーティー

そもそも、私はこのお見合いパーティーで結婚相手を探しに来たわけではない。そんな条件をひけらかされても心は動かない。

長年勤めた病院を定年退職した。子ども二人はそれぞれ結婚して新しい家庭を築いている。子ども達の父親とは若い頃に離婚していて、一人きりの老後となってしまった。そんな私を見かねて娘の尚子がお見合いパーティーを勧めてきたのだ。

一度失敗しているので、もう結婚するつもりはないが、このまま一人年老いていくのは寂しい。誰か一緒に楽しく過ごせる友だちのような人と出会えたら。そんな思いで参加している。

浜野さんも会社自慢をするのだろうかと、少し身構えていた。