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お見合いパーティー
カフェの前で、数日前に娘の尚子から渡されたチケットを鞄から取り出して確認する。間違いないようだ。
駅近く、幹線道路に面したビルの一階、洒落たカフェが貸し切りになっていて、そこがお見合いパーティーの会場だった。
尚子の言うままに参加する事にしたけれど、ここに来て少し気後れしてしまう。回れ右して帰ろうかと思った矢先、カフェの中からスタッフが出てきてしまった。
「どうぞー!こちら“熟年だって恋したい”の会場となってまーす!」
何もそんなパーティー名を大声で叫ばなくても良いのに、若いスタッフは慣れないのか無頓着なのか、声を張り上げた。
明らかに私に向けられた呼び込みの声を無視して立ち去る勇気もなく、仕方なしに会場へ足を踏み入れた。
店内は天然木の家具で統一され、観葉植物が適度に配置されていて、思っていたよりも明るくてホッとした。ぐるりと配置されたテーブルには既に数人が席に着いている。
受付でチケットを渡すとナンバープレートを渡されて胸に付けるように促された。17番、予め割り当てられていたらしい。
同じ番号札が置かれた席に座り、テーブルに配られている用紙を記入するように説明を受けた。なる程、先に着席している人は何やら一生懸命書いている。
一枚目は自己紹介カードで17番とだけ予め記入されている。名前、年齢、職業に始まって、住んでいる地域、趣味特技、自己アピールなど用紙一杯に欄が設けてある。
お見合い相手とこのカードを見せ合うのだろう。これが集団見合いというものらしい。
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