#01[扉の向こう]

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だけどもし、彼女の隣に!?あいつ …みつはるがいたら? また訪れた同じ状況という実感があったのに、 怖さは1度体験したあの瞬間と変わらない。 そう考えると、振り返ることができないでいた。 「リュウ!!待って!!」 僕は彼女の声に、歩いていたその足を止めた。 あの結末を変えられるなら… 僕が勇気を出して、 なおこを誰よりもアイツみつはるよりも 愛してると示すには…。 あとは、振り返るだけ…。 僕は、二人が目の前に座っているだけで… もう僕との時間は終わったんだと思った。 なおこは、みつはるを愛している…あの夏からずっと。 そう思って…僕はあの部屋から飛び出た。 僕が、なおこに話していればよかったんだろうか? みつはるが、なおこと再会した時…。 あの嘘が、笑い話に?なっていたかもしれない? そうすれば、あの瞬間が…なかったかもしれない? 悔やんでも始まらない。 僕は…僕らが、これまで過ごしてきた時間は? 偽りじゃなかった? はず? 僕を愛してるとは、あの瞬間まで聞いたことはなかった。 正確には怖くて聞けなかった。 今、振り返れば… あの結末、妻を失う結末を変えることができる?
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