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「リュウ!!」
何度となく彼女は僕を呼んで、その声もどんどん大きくなっていたが。
だけど僕は、ここにきても…
これまでの幸せだと思えたあの日々が、偽りだったと聞かされ失いそうで…
また、訪れたこの瞬間も振り返るのが怖かった。
あの結末がわかっていてもだ…。
みつはるがいるに違いない。
あの瞬間、僕を愛しているそう言ってくれたけど…。
あの瞬間だったからなのかもしれない?
二人で…僕を追いかけ、
違う選択を迫られるのかもしれない?
「リュウ!お願い!話を聞いて!」
聞こえてくるのは、なおこの声だけだ…。
ー振り返ろう!
そう決めて、また訪れたこのチャンスなのに。
なかなか振り返る勇気が持てなかった。
彼女の声から逃げるように、目の前の点滅している横断歩道をかけ渡った。
渡りきった時…。
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