#01[扉の向こう]

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僕が二人に付いてしまった嘘…あの夏を思い返していた。 アイツ…みつはるは、なおこが好きなくせに… 好きなのか、わからない。 そう答えながらも、なおこが誰を好きなのか?僕に聞いてきた。 彼女が誰が好きなのか? そんなこと、関係なく…彼女を好きか?友達のままか? あの頃、僕も幼かったけど…その二択だけなのに。 アイツに腹がたったのを思い出した。 「あの夏…あいつに、イラついたのにな。」 ーそんなこと、好きに…決まってる。 僕は、フッと息を吐きゆっくり振り返った。 振り返るとそこに、なおこは1人だった。 「リュウ!!」 そう僕を呼び、これまで見てきた彼女の笑顔の中でもとびっきりの笑顔だった。 彼女は僕を見るなり、横断歩道を渡ってきた。 「なおこ!」 キィ!!ドン!! 車が…。
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