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オレは10日間危篤状態で何度か心肺停止状態になったらしい。
目覚めても自分の事すら分からず何が何だか混乱した。
最初に思い出したのはあかりの事だったが、家族や友人は言葉を濁して彼女はまだ入院中としか言わなかった。
でもオレには分かっていた。
生死を彷徨っている間、何度となく彼女はオレの所に来てくれた。
でも抱きしめようとしてもキスしようとしても悲しい顔で首を振ってばかりだった。
ある時は湖に架かる橋を一緒に渡ろうとしても彼女は怖い顔をして繋いだ手を振り払ったりもした。
そして最後に会ったあかりは何も言わずオレに小さく手を振りながら
沢山の色の木の葉が舞う中に消えて行った。
...そしてオレは目覚めた。
聞きたくもなかったが事故の事を聞かされた。
居眠りをしたトラックが渋滞していたオレ達の車の前車に激突して
その車がオレ達の車に衝突した。
前車のカップルは死亡...
トラックの運転手は重体。
あかりは即死だった。
オレは次第に現実に引き戻され後悔と苦しみと痛みで心が破裂しそうだった。
身体も全身至るトコを骨折し、特に左足は粉砕骨折していた。
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