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善良さゆえのデッドエンド
あるところに、不幸な女の子がいました。
彼女は生まれたときから両親に厳しく躾られていたのです。
というのも、その女の子のご両親は非常に気が短く、女の子のちょっとした失敗すら見逃さずに叱り飛ばしました。時には食事を抜きにして、時には三時間正座をさせ続け、少しでも崩そうものなら容赦なく頭を叩きました。
女の子は自分のせいでご両親が夫婦喧嘩を繰り返し家庭が壊れていくのだと嘆き苦しみ、遂には家出をしたのです。何故なら、二人の喧嘩はいつだって女の子の話が原因だったからです。
「どうしてあの子の教育費を私が払わなくちゃいけないわけ!?」
「お前こそあの子がどれだけお前と遊びたがってるのか知らない訳じゃないだろ!?」
「私だってあの子のことは愛してるけどいつも一緒じゃ疲れるのよ!私ばっかりに押し付けないで‼」
そしてとある日に、とうとう母親が
「いっそアンタと結婚しなければ‼」
と叫ぶのを聞いてしまった女の子は、そうするしか思い付かなかったのです。
女の子は行く宛もなく、夜の町を走り回りました。ろくに友達がいないので、相談することもできません。
三日後、女の子は見つかりました。
いえ、正確に言うと、それはもうただの肉の塊でしたが…
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