blue.5

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夢? 和泉さんが出て行って閉じられたドアを見つめる。 それって、どういう、… 考えあぐねていると、通勤バッグの隣に放置したままのスマートフォンが着信音を鳴らしながら振動した。 「わっ、…」 いろいろ心臓に悪いと思いながら、腰をいたわり、這いつくばってスマホに手を伸ばす。 そういえば、電話鳴ってたって言ってたな。 画面を見ると、 『calling " 俺 ”』 は? な、…なにこれ。誰―――――っ!? 鳴りやまないスマホに恐る恐る指を近づけて画面をタップする。 名乗らないまま息を止めて耳に当てると、 「…誰だよ?」 なんだか若干不機嫌な声が聞こえた。 っつーか、お前が誰だよ―――――っ!! 全力で突っ込みながら。 でも、この声。胸の奥がぎゅっとする。 一度聴いたら忘れられない、甘く沁みる声。 こんな声、一人しか知らない。
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