blue.5

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「…か、なで、くん?」 恐る恐る問いかけると、盛大なため息が聞こえた。 「誰だよ? さっき電話出たの」 「え、…」 状況から考えると。多分。 「和泉さん…?」 だよねぇ。 「和泉…」 電話の向こうで奏くんがちょっと黙ってから、やっぱり不機嫌な声で続けた。 「なんでこんな朝早くからアイツと一緒なんだよ?」 「それは、…」 考えてみよう。なんでこんなことになっているのか。 そう。それは全部。 「奏くんのせいじゃん!!」 「…は?」   奏くんの声を聞いたら張りつめていた糸が切れた。 昨日の朝から一連の、 悔しくて悲しくて情けなくて、怖くて痛くてびっくりしたことを 洗いざらいぶちまけた。 なんかいろいろよみがえって、また泣き声になってしまった私を、 「お前、バッカじゃねえの!?」 奏くんの美声が容赦なく打ちのめした。
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