blue.5

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麻雪さんが今日は仕事をお休みするというので、和泉さんと二人で出社することになった。 風薫る五月。青々とした新緑。 晴れ渡る空。清々しい朝の街。 同じベッドで寝て、同じ朝ご飯を食べて、同じ家から一緒に出勤。 なんかこれ、新婚さんみたいじゃないですか―――? 麻雪さんには申し訳ないけど、本当に申し訳ないけど。 ちょっと浮かれ気分で歩いていたら、足の長さが違い過ぎて、和泉さんに置いて行かれてしまった。 急いで追いかける私を待ちながら、和泉さんが優しい笑みを浮かべて、 「…つなぐ?」 目の前にその大きな手を差し出した。 「え、…」 これは。アウトですか、セーフですか。 悪魔の誘惑ですか―――!? 「のいは歩くの遅いからな。迷子になりそうだ」 私が動揺に動揺を重ねている間に、和泉さんがさっさと私の手を取る。 「…璃乙と一緒だ」 血圧が急ピッチで跳ね上がり、一気に下降した。 あ、…そういうこと。 そうか、ベッドに入れてくれたのも、璃乙くんと一緒の扱いってことか。 それならわかる、と妙に納得してへこんだ。
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