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blue.5
こめかみに額に鼻の頭に頬に、くすぐったい気配がして目が覚めた。
和泉さんに抱きしめられて一つベッドで、
「もう寝ろ」
って言われたけど。
いや、死ぬよ。これ、余計寝れないヤツだよ。
ハイスペック男恐るべし。
と思っていたら、いつの間にか寝ていたらしい。
目を開けると和泉さんの伏せたまつ毛と形のいい鼻が見えた。
身じろぐと背中に回された腕にぴったりと引き寄せられて、髪の間に差し込まれた長い指で優しく撫でられた。
いいい、いいい、和泉さん?
長身の和泉さんにすっぽり包まれて、頭のてっぺんから足のつま先まで体温が伝わるくらい隙間なくくっついて絡まり合っている。
「…い」
和泉さんの艶やかで滑らかな唇が吐息のような声を漏らし、優しく甘くゆっくりと私の唇を食む。
うううわああ、あああああ―――――っ
本気で心臓が止まって跳ね起きた衝撃で後ろ向きにベッドから転がり落ちた。
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