なんだかへんだよ

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なんだかへんだよ

僕のお姉ちゃんは何だかおかしい。 いっぱい食べてるのに骨しかないように細い。 昨日の晩御飯は猫の死体。 今朝のご飯は僕は焼き魚。 お姉ちゃんは生魚の骨。 手掴みで食べるんだ。 一度に何人も喋っているような、ざわざわとした声。 目があるべき場所にはぽっかりと大きな空洞が。 たまにそこから黒い蔦が伸びている。 お母さんもお父さんも僕と同じなのに、どうしてお姉ちゃんだけ。 何だか変だよ。 僕ね、聞いたんだ。 トイレに行った帰り、お父さんとお母さんの寝室から。 「どうしてあの子だけ他と違うのかしら」 「わからない…俺達ではもうどうにも出来ない」 「やっぱり病院に入れるべきかしら…将来困るのはあの子でしょうし」 「そうだな…それしか手は無さそうだ。俺が連れていくよ」 「ええ、お願い」 お姉ちゃん、病院で治して貰うんだ。 あれが治せる病院ってどこなんだろう。 お姉ちゃん…『普通』に戻ると良いなぁ……。 ワタシのオトウトはなんだかオカシイ。 少ししかタベナイのにブクブク太ってる。 キノウの晩御飯はグチャグチャにしたニクを丸めて焼いたヤツ。 今朝のゴハンはワタシはホネ。 オトウトはサカナを焼いて変質させたヤツ。 ヘンな棒でタベテル。 甲高くてハッキリ聞こえルうるさいコエ。 穴にシロとクロの玉をイレテル。 ギョロギョロ動く。 パパもママもワタシと同じなのに、どうしてオトウトだけ。 なんだかヘンだよ。 ワタシ、聞いたノ。 喉が渇いてネズミを潰してるトキ、パパとママの寝室から。 「ドウシテあの子だけホカと違うのカシラ」 「ワカラナイ…オレ達ではもうどうにもデキナイ」 「やっぱりビョウインに入れるべきかしら…ショウライ困るのはアノコでしょうし」 「そうだな…ソレシカ手は無さそうだ。オレが連れてイクヨ」 「ええ、オネガイ」 オトウト、病院でナオシテ貰うんだ。 あれがナオセルビョウインってどこなんだろう。 オトウト…『フツウ』にモドルト良いなぁ……。
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