たった一枚の・・・

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三ヶ月の間、起床すると 優子から渡された携帯電話を使い、 優子にワンコール、 両親にワンコールで 無事を知らせる。 ただでも人付き合いが苦手な私、 こうなってみて、両親・優子以外 自分を心配してくれる人間の いないことを痛感・・・。 だから余計に、彼との 狭い部屋の中の“世界”が 恋しい・・・・恋しい反面 その世界の“裏側” で 奥様の心を壊していた事実が 日を追うごとに罪を問う。 今回の件について 特に何も言わない優子は、  「よく働いたじゃない?   山の中でボンヤリしたら?」 なんだか湯治にでも送り出すように ここまで送ってくれたけど それは、  “前進も後退も自身が判断” 厳しさでもある気もした。  
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