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地元では目立ったほうじゃない。 “大学デビュー“ってやつ。 同じ下宿に住む他大学の 上級生が洒落な男だった。 それからコイツはゲームも大好き、 暇があればゲームばかり。 「そんなに好きなら自分で  作ればいいじゃないか?」 「なら、お前が作ってくれよ」 そんなヤリトリで始めたゲーム製作。 工学部の先輩が声をかけてくれて サークルのつもりで始めた会社が 時代の波に乗った。 地方から出てきた俺は有頂天、 「企業家セレブはいい時計を  身につけるべきだ」 先輩に言われて買ったのがこれ、 三百万ほどしたけれど 今はプレミアがついて高値。 そうだ・・・それまで俺は 一万円もしない時計をはめていた。 アユカと揃いの時計・・・。
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