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アユカが嫌いになった ・・・・・わけじゃない。 会社がデカくなることが 楽しくて仕方なかった。 仕事だけじゃ・・・ないなあ。 金があるから女は 選り取りみどり、コンパをすれば 必ず“テイクアウト”。 アユカしか知らなかった俺は  年上から年下まで、貪った。  「いつ会える?」 アユカからのメールを 無視し始めたのもこの頃。 自然消滅でいいと、思っていた。  「企業家に相応しい女を   選ぶべきだよ」 取り巻きに言われた世辞を マンマ、鵜呑みに信じて・・・。 そして、結婚しようと思ったのが “ミスS女子大”の彼女。 どこでディナーをしても どこを歩いても みんなが彼女を見て 俺に嫉妬の視線・・・。 岡山の両親に紹介せねばと 考えていた矢先だった。   
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