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「ん、?朝・・・・?  ずいぶんと眠って・・・・  しまったけれど・・・」 手触りが・・・布団、 洗濯したシーツの匂い・・・。 天井・・・・懐かしい岡山の? しっかりと目覚めて驚いた。 (ここ・・・うちじゃないか?!) 「ああ!よかったあ!  気がついて!おばさん、  おばさん!大貴さん、  気がつきましたよ」 女の声がして、 魚みたいに跳ね起きた。 女は、アユカ! 「ああ、だい、だいきぃ!」 母親が部屋に飛び込んできた。 「か、母さん、俺、いったい」 「夜中にタクシーが着いて  運転手さんが運んでくれたの。  『とてもお疲れみたいでした』  って・・・それから  『アユカさんを呼んでほしいと   仰ってました』って」 母親が視線を移す隣にアユカ、 羞じらう笑顔に・・・ 左手首に腕時計・・・、そして その手が包む僕の左手首にも!  
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