一章 世代交代

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一章 世代交代

➖AM.7:00➖ ケータイのバイブが私の枕元で響く、 そして… 『おはよう、早く起きて?俺の相手してよ』 はあ…、幸せ。朝からまだ眠いのに、自然と顔がにやけていく。 恋愛シュミレーションゲーム、世の中では乙女ゲームと言われている。 その乙ゲーをこよなく愛する私。 最近始めた新しい、乙ゲーを期間内にクリアした人のみに送られる、キャラクター[奏]くんのお目覚めボイスを昨日、やっとの思いで手に入れた。 そんな、イケボ(イケメンボイス)で朝を迎えられるなんて… 「波山梨香、起きます」 私は気持ちよく、目覚めるとすぐにケータイのホーム画面をつけると、そこにも、昨日頑張って攻略した奏くんのスチルを待ち受けにした画面が、奏くんが私をみてくれている。 きゃー♡ 私は、現実の男よりも、ケータイゲームの彼にときめく28歳、彼氏なし!できたこともない! それでも、私は堂々と生きる。オタクだと罵りたければ罵ればいい。 私は、ゲームの彼に恋する波山梨香だ。
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